令和7年度鹿児島大学シンポジウムを開催しました

 2026年2月14日(土)、鹿児島大学ミッション実現戦略分「奄美群島を中心とした『生物と文化の多様性保全』と『地方創生』の革新的融合モデル」事業の成果発表の一環として、奄美大島においてシンポジウムを開催しました。本シンポジウムは、国際島嶼教育研究センター(以下、島嶼研)および理工学研究科DXコネクトセンター(以下、理工研)が主催し、奄美市が後援したものです。
 当日は、会場とオンラインを併用したハイブリッド形式で実施し、会場参加53名、オンライン参加50名の計103名の参加者となりました。

 シンポジウムは、橋口照人・筆頭理事による挨拶(ビデオメッセージ)に始まり、大塚靖・国際島嶼教育研究センター長による趣旨説明がありました。
 前半のセッションとして、多様性保全部会の発表が行われました。北之坊誠也・島嶼研特任研究員より「サンゴ繁殖から見える奄美の自然環境」と題して、奄美群島で進めているサンゴの繁殖に関して、バンドルについての説明や研究からみえてきた奄美の自然の魅力を紹介されました。山本智子・水産学部教授より「陸と海をつなぐ生物たち」と題して、干潟やマングローブ林といった沿岸域が陸と海をつなぐ「エコトーン」であり、生物が食物連鎖を通して両生態系を結びつけていること、そして奄美大島のこれらの場に生息する生物が果たす役割を紹介されました。大塚靖・島嶼研教授より「奄美群島のブユ -自然の一部としての害虫-」と題して、奄美群島に生息しているブユの生態について詳細な説明がありました。志水勝好・農学部教授より「奄美大島の植物のミステリー 〜おまえはなぜ生きられる?~」と題して、奄美に自生している長命草(チョウメイソウ)を議題に取り上げ、この野草は必要な栄養素がなくてもなぜ生きていられるのか研究でわかったこと、またこれからの研究課題について報告されました。

 後半のセッションでは、木下英二・DXコネクトセンター/先端研究・地域連携部門長が司会を務め、理工研を中心とする地方創生部会から3題の発表が行われました。江幡恵吾・水産学部准教授より「産地魚類市場スマート計量システムによる水産DXの実現」と題して、産地魚の魅力を最大化して地域経済に貢献するための次世代水産業のあり方について、漁業関係者と共同で進めるスマート計量システムの説明と今後の利活用について紹介がありました。市川英孝・法文学部教授より「地域資源を活用した持続可能なまちづくり-瀬戸内町での取組み-」と題して、ゼロエミッションを実現する奄美群島モデルの実現として、瀬戸内町での取り組みが紹介されました。招待講演として、高橋幸弘・北海道大学大学院理学研究院教授より「超小型衛星で迫る奄美の秘密」と題して、奄美大島はマングローブや亜熱帯林、サトウキビ畑、海洋プラスチックの監視拠点として、地球規模の環境課題を研究する重要な地域であることが説明され、これらの課題を広域かつ迅速に把握するために活用している先端的な超小型衛星の成果と今後の展望を紹介いただきました。

 またディスカッションでは、高校生や自治体の皆さまから多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。最後は、本学理工学研究科長である小山佳一センター長の閉会挨拶により、本イベントは盛況のうちに幕を閉じました。
 本シンポジウムの様子は、2月15日付の奄美新聞(9面)と2月16日付の南海日日新聞(1面)に大きく取り上げられ、当日の盛況ぶりが広く伝えられました。

写真1.講演の様子1
写真2.講演の様子2
写真3.ディスカッションの様子
写真4.質疑応答の様子