先端研究・地域連携部門

部門長あいさつ

先端研究・地域連携部門長 木下 英二(機械工学プログラム 教授)

本部門は、本学理工学研究科の強み・特色である6つの研究領域と「SDGs推進事業」、「コトづくり支援ラボ」により構成され、本研究科の先端研究、革新的な技術開発につながる新しいシーズの創出、地域のニーズに対して本研究科のシーズを結び付けて産学共同研究・地域イノベーション創出を推進・支援し、地域社会における安全安心な暮らしと地域社会・産業の発展に寄与することを目指しています。現在、本部門には8の研究会が設置され、本学教員と地域の企業や支援者が協働して地域の課題に取り組んでいます。


情報科学領域

大学院理工学研究科 情報科学専攻 情報科学プログラム 教授 大橋 勝文

令和7年度から始まった本研究科博士前期課程「情報科学専攻」および博士後期課程「情報科学コース」とも連携し、多様化、高度化が進む情報技術関連の地域ニーズや社会ニーズに迅速かつ柔軟に対応できる研究シーズの創出を目指します。また、理工学の学問領域を超える異分野融合、様々な業種の高度情報専門人材との異業種交流等を推進し、そこから生まれる潜在的ニーズの発掘、革新的な価値の創造、情報イノベーションの創出にも積極的に取り組みます。

地域創生・安全工学領域

大学院理工学研究科 工学専攻 海洋土木工学プログラム 教授 酒匂 一成

地域創生・安全工学分野では、人が安心・安全で活動しやすい地域ならびに生活空間の創造、自然環境の持続可能な維持・保全、ならびに自然災害の脅威の抑止を具現化するための事業の創出と革新的な技術の開発を実現させるための研究シーズの創出を目指します。具体的には、地震、津波あるいは地滑り等の自然災害に対する防災・減災の観点からの各種手法の開発、ライフライン強靭化のための具体的な仕組みの提案とこれを達成するための技術の創造、ならびに、地域の未利用資源あるいは廃棄物等の有効活用のための技術開発等について、地域企業、地方行政団体、ならびに大学・高専等が一体となって取り組むための組織づくりと、その中で生まれるシーズを具体的な技術へ繋げるための取り組みを行います。

環境・エネルギー領域

大学院理工学研究科 工学専攻 建築学プログラム 准教授 鷹野 敦

環境・エネルギー分野は、南九州の風土に根ざし、その強みを活かした環境・エネルギー関連事業の創出と、革新的な技術開発につながる研究シーズの創出を目指します。化学物質のようなミクロレベルから、都市や海洋環境のようなマクロレベルまで、人間を含めた全生物にとって持続可能な環境を実現するための研究課題を対象とします。キーワードとして、微量汚染物質、建造環境、海洋、島嶼、再生可能エネルギー、ゼロカーボンなどが挙げられます。地元企業や行政団体、学術・研究機関と連携して、地の利を活かした具体的な技術開発につながる取り組みを行います。

医療・福祉工学領域

大学院理工学研究科 理学専攻 化学プログラム 准教授 濵田 季之

医療・福祉工学分野では、本学理工学研究科の先端的な知識と技術を最大限に活かし、高齢化社会や介護、ならびに地域医療が直面する課題を積極的に解決することを使命とします。特に南九州地域など本学が立地する地域社会と連携し、実際の現場ニーズを反映した医薬品・診断薬の研究開発、医療用センサーや病気検査システムの構築、リハビリテーションや介護・医療機器用補助システムの開発、人の感覚情報を活用した福祉機器への応用など、地域に根差した実践的なプロジェクトを推進します。
また、離島を含む地域独自の医療情報の活用といった地域特性にも積極的に取り組みつつ、未来の地域社会を支えるイノベーション人材の育成に注力します。多様なバックグラウンドと専門性を持つ人材が協働する場を創出し、地域住民や自治体、医療・福祉現場と連携しながら、継続的かつ自立的に新しい価値を創造できる人材の輩出を目指します。

先端物質材料開発領域

大学院理工学研究科 工学専攻 化学工学プログラム 教授 二井 晋

先進物質材料開発分野は、原子・分子レベルからマクロレベルの広い視点から、有機・無機・生体材料およびこれらが有機的に機能する複合材料等の新規創製や基礎物性・機能性評価、構造・組織制御、製造プロセス、ナノ構造制御、機能計測・解析、機能・特性を発現させるメカニズム解明、機能・特性の変化を予測するシュミレーション技術、再資源化技術などに関して、地域企業・関連機関・教員グループ等とともに地域発の優れた実用化技術の事業化促進および新事業の創出ならびに革新的な技術の開発につながる研究シーズ創出を目指します。

天文宇宙領域

大学院理工学研究科 工学専攻 機械工学プログラム 教授 片野田 洋

鹿児島は薩摩藩の時代から天体観測を行ってきました。また、鹿児島県には日本で唯一、国家プロジェクトしてのロケット射場があり、毎年定期的に打上げが行われています。近年では、超小型人工衛星の打上げ需要の増大を背景に、世界的に小型ロケットの開発が盛んになっています。天文宇宙分野では、宇宙に深く関わり続けてきた鹿児島県という土地柄と、最近の社会的なニーズを背景に、小型民間ロケットの打上げ等、地域の企業・団体とともに鹿児島発の宇宙開発を実現させるための様々な研究シーズの創出を行います。

SDGs推進事業

大学院理工学研究科 工学専攻 海洋土木工学プログラム 教授 加古 真一郎

SDGs推進プロジェクトは、既存事業の強化と新規事業の創出を目指す研究を推進しています。特に、地域版ビッグデータの活用により鹿児島県の水産・海洋産業のスマート化を推進するシステム、鹿児島県島嶼部において再生可能エネルギーを高効率で利用するシステム、海洋プラスチックの効率的な処理・処分を実現可能とする海洋プラごみ監視システムの開発を進めています。

コトづくり支援ラボ

大学院理工学研究科 工学専攻 機械工学プログラム 准教授 熊澤 典良

コトづくり支援ラボは大学設置基準に明記された本学の実験・実習工場施設の名称であり、学内における実験・実習工場としての機能と教育・開発の機能を融合させた組織活動を行っている。コトづくり支援ラボでは、理工学研究科技術部と連携を取りながら様々な業務を実行している。その主な業務は、大学のカリキュラムに基づく工作実習等を実施する教育関連および研究室等からの依頼による実験装置・設備等を製作する開発関連であり、コトづくり支援ラボ担当技術職員とともに自施設の設備等を利用して業務を進行している。

研究会

本センターは、理工学に関する研究ならびに技術開発を支援し、もって地域社会における安全安心な暮らしと産業の発展に寄与することを目的とした研究会を設置しております。